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写経を書き終えたあと、「これってどこかに納めないといけないの?」と思った方は多いと思います。
私もはじめはどんどん練習したものが増えていくので、どうしたものかと困っていました。
結論から言うと、奉納は必須ではありません。
自宅で保管したり仏壇に供えたりすることも、ひとつの選択肢として認められています。ただ、書いた写経をお寺に納めたいという気持ちがあるなら、その方法も決して難しくありません。
この記事では、書き終えた写経をどうするかを「ケース別」に整理します。
- 奉納(納経)とは何か
- お寺の写経会で書いた場合の流れ
- 自宅写経を持参・郵送で奉納する方法
- 郵送奉納の具体的な手順(梱包・同封物)
- 奉納後、写経はどうなるのか
- 奉納しない場合の選択肢
奉納(納経)とはなにか
書き終えた写経をお寺に納めることを「奉納(ほうのう)」または「納経(のうきょう)」といいます。どちらも同じ意味で、お坊さんに写経を渡して仏様の前などにお供えしていただく行為です。
写経はもともと、完成したものをお寺に納めることで初めて修行が完結するという考え方がありました。ただし現代では、自宅で写経を続けることや、自宅仏壇に供えることも広く認められています。「必ず奉納しなければならない」というルールはありません。
お寺の写経会で書いた場合
基本はその場で納めて帰る
お寺の写経会や写経体験に参加して書いた場合は、書き終えたらその場で本堂に納めるのが基本です。写経会の最後に納経の儀式(法要)が行われるケースも多く、参加料が奉納料を兼ねていることがほとんどです。
この場合は特別な手続きは必要ありません。書き終えて、所定の場所に出す(または係の方に渡す)だけで完結します。
自宅で書いた写経を奉納する方法
悩むのはこちらですね。自宅で書いた写経を奉納したい場合、方法は大きく3つあります。
① 菩提寺・近所のお寺へ持参(最もシンプル)
最もシンプルな方法が、菩提寺(檀家になっているお寺)や自宅近くのお寺へ持参することです。
ただし受け入れているかどうかは寺院によります。公式サイトに写経の奉納について記載が見つからなければ、直接訪れた際に聞いてみるか、もしくはお電話で聞いてみるとよろしいかと思います。
奉納の際は「奉納料」(目安:1,000円程度)を包んで一緒に渡すのが一般的です。金額はお寺によって異なるので、事前に確認するか「お気持ちで」と言われたら相場を参考に包んでください。
② 縁のあるお寺・宗派の本山へ持参
以前に写経体験をしたお寺や、信仰している宗派の本山・大本山へ持参するケースもおすすめです。ある程度の量を書いて溜まったタイミングで奉納するのが良いですね。
お住みの場所によりますが、例えば、増上寺(浄土宗大本山・東京)、高野山 金剛峯寺・奥之院(高野山真言宗総本山・和歌山)、東大寺(華厳宗大本山・奈良)など、多くの有名寺院で自宅写経の奉納を受け付けています。(各寺院のサイトで要確認)
参拝のタイミングで持参するのが自然な流れです。納経所や受付に声をかければ対応してもらえます。
※お寺によっては所定の用紙で書いたものに限る場合があります。事前に公式ホームページなどで確認してから行くようにしましょう。なお、「奉納料」(目安:1,000円程度)を包んで一緒に渡すのが一般的です。
③ 郵送で奉納する
お寺に直接行けない場合は、郵送で奉納を受け付けているお寺に送るという方法があります。増上寺(東京)・薬師寺(奈良)・安房高野山妙音院(千葉)など、郵送対応を明示しているお寺が全国各地に意外とあります。
郵送の場合は事前にお寺のホームページなどで受付をしているか確認をしてから送りましょう。この場合も「奉納料」(目安:1,000円程度)と一緒に郵送するのが一般的です。寺院によって、用紙の指定があるケースもあるので注意書きをよく読んでください。
郵送奉納の具体的な手順(例)
はじめてだと困惑するかもしれませんので、参考までに郵送で奉納する際の流れをまとめます。あくまでも、その寺院のご案内に従ってください。
- 事前にお寺の公式サイトを確認する:郵送での納経を受け付けているか、用紙指定の有無、納経料(冥加料)、郵送先の住所などを確認。
- 写経を丁寧に梱包する:写経用紙が折れたり濡れたりしないよう、硬い台紙(厚紙)などに挟んでクリアファイルに入れ、封筒または箱に収める
- 納経願い(手紙)を同封する:氏名・住所・奉納の目的(祈願・供養など)を書いた手紙を添える。短くて構いません
- 奉納料を同封する(現金書留):お金を少額でも同封する場合は必ず「現金書留」にする必要があります。その場合、封筒や箱のノリ付けはせずに郵便局に持っていくとスムーズです。(お金は目視で確認するから)。もしくは、お寺が指定する方法(振込など)で納めるのもスムーズです。やり方が不明ならばお寺にお電話でお聞きするのが早いです。
写経は折り曲げずに送るのが基本です。大きいサイズのすこし硬めの封筒か、丸めて筒状にして送るか、お寺の指示に従ってください。
奉納後、写経はどうなるのか
「お寺に納めた写経がどうなるのか気になる」という方も多いと思います。お寺によって扱いは異なりますが、一般的な流れはこうです。
| 扱い方 | 内容 |
|---|---|
| ご本尊前に祀る | 一定期間、仏様の前にお供えされる。最も一般的な扱い |
| お焚き上げ(浄焚) | 清浄な火で焼いて仏様に捧げる。写経の功徳が完結するとされる |
| 永代供養 | 薬師寺など一部の寺院では永代にわたって供養。薬師寺は現在850万巻を永代供養中とのこと |
| 納経塔・写経塔へ納める | 増上寺など、専用の塔・堂に収蔵されるところも |
どんな扱いになるかはお寺のホームページに書かれていることもあるので、気になる方は奉納先を選ぶ際に確認してみてください。
奉納しない場合の選択肢
こちらも気になるところだと思います。「奉納しない」場合の選択肢についてです。
自宅で保管する・仏壇に供える
奉納せずに自宅で保管することは、何もおかしなことではありません。書いた写経を仏壇に供えたり、大切にしまっておいたりすることも、写経の意味ある向き合い方のひとつです。
私も書いた写経をすべてお寺に納めているわけではなく、気持ちの整理がつくまで手元に置いておくことがあります。
お焚き上げをお寺に依頼する
「お寺に奉納するほどではないが、ゴミとして捨てるのは気が引ける」という場合は、お焚き上げをお願いする方法があります。お焚き上げは、感謝の気持ちを込めて清浄な火で焼いて供養する行為です。
菩提寺に相談するか、お焚き上げを受け付けている寺院・神社に、受付方法や受付のタイミングなどを問い合わせてみてください。ちなみに、郵送でお焚き上げを受け付けているサービスなんかも一応あるみたいです(わたしは利用したことがない)。
まとめ
- 奉納は必須ではない。自宅保管・仏壇に供えることも選択肢のひとつ
- お寺の写経会で書いた場合は、その場で納めるのが基本。参加料が奉納料を兼ねることが多い
- 自宅写経の奉納先は菩提寺・縁のあるお寺・宗派の本山が一般的
- 郵送奉納は事前連絡・丁寧な梱包・納経願いの同封・奉納料の確認が必要
- 奉納後の扱い(ご本尊前への祀り・お焚き上げ・永代供養)はお寺によって異なる
- 捨てるのが気になる場合はお焚き上げを依頼するのが自然な選択肢
写経の最後の欄(日付・氏名・願文)の書き方については、以下の記事もあわせてどうぞ。
→ 【完全ガイド】写経とは?意味・種類・始め方をまるごと解説
よくある質問
奉納料はいくら包めばいいですか?
目安は1,000円程度です。ただしお寺によって「500円」「2,000円」など指定があることもあるので、事前に確認するのが確実です。「お気持ちで」と言われた場合は1,000円が一般的な相場です。
どのお寺に奉納してもいいのですか?
基本的に、奉納を受け付けているお寺であればどこでも構いません。菩提寺が最も相談しやすいですが、参拝したことがある寺院や、信仰している宗派の本山に納めても問題ありません。ただし奉納を受け付けていないお寺もあるので、事前確認が必要です。
郵送で奉納できるお寺はどうやって探せばいいですか?
「写経 奉納 郵送」で検索すると受け付けているお寺が見つかります。増上寺・薬師寺・安房高野山妙音院など全国の寺院で対応しているところがあります。ただし受付条件(指定用紙のみ可、など)があることもあるので、各寺院のサイトで確認してから送ってください。
書き損じた写経はどうすればいいですか?
書き損じた写経も、ゴミとして普通に捨てることに抵抗がある場合はお焚き上げを依頼するのが自然な方法です。菩提寺に相談するか、お焚き上げサービスを利用してください。完成していない写経は奉納には適さないため、保管かお焚き上げの二択が基本になります。
書いた写経はゴミとして捨ててはいけないのですか?
最後にここも気になる方は多いと思います。
(ご意見の分かれるところかもしれませんが)、「絶対に捨ててはいけない」「バチ当たりだ」という宗教的な厳格な決まりがあるわけではありません。実際、写経会を開いているお寺のなかには、「失敗した写経はまだ貴いお経になっていないので、燃えるゴミに出しても構わない」とはっきりと説明しているところもあります。
ただ、心を込めて最後まで書き上げた写経は、自分の祈りや時間が込もったものです。その点は、そのまま生活ゴミと一緒に捨てるのは、多くの方が抵抗を感じる部分だと思います。私自身も、書き上げた写経をそのままゴミ箱に、という気持ちにはなかなかなれません。(でも、書いた用紙が増えてゆく…)
だからこそ、捨てるのが気になる場合は、この記事で紹介してきた「奉納・お焚き上げ・自宅保管」のいずれかを選ぶのがおすすめです。
それでもどうしても処分する場合は、たとえば、塩をひとつまみ振って清め、白い紙に包んでから他のゴミと分けて出すと、気持ちの区切りがつけやすくなります。要は「丁寧に扱う」という、そのお気持ちが大切かなと思います。なお、写経に氏名や住所を書いている場合は、個人情報保護の観点からもそのまま出さず、その部分を塗りつぶしたり処理してから捨てると安心ですね。