増上寺の写経会|毎月14日の参加方法と自宅でできる写経

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増上寺

東京タワーのふもと、芝公園に建つ増上寺。徳川将軍家の菩提寺として知られるこのお寺でも写経ができます。

ただ、日程を合わせる必要があります。増上寺の写経会は毎月14日にしか開かれません。しかも7月と8月はお休み。つまり1年で10日だけ。「今日ちょっと寄ってみよう」ができないお寺なんですよね。

ほかにも受け皿はあります。歩いてすぐの塔頭で月1回ひらかれる写経会と、増上寺公式が用意している自宅用の写経手本です。この記事では写経会の参加方法を軸に、14日に行けない場合の選択肢まで整理しました。

この記事でわかること
  • 増上寺の写経会の日程・受付時間・冥加料
  • 当日の流れと、持って行くもの
  • 増上寺で書くのは般若心経ではない、という話
  • 塔頭・宝珠院の写経会(月1回・予約制)の参加方法
  • 公式の写経手本を無料でダウンロードする方法
  • 書いた写経を写経塔に納める方法(郵送も可)
目次

増上寺で写経をする3つの方法【早見表】

先に全体像から。増上寺に関わる写経には、3つのルートがあります。

方法いつ書くお経費用こんな人に
①増上寺の写経会毎月14日のみ
(7・8月は休会)
浄土三部経など冥加料2,000円
予約不要
法要のなかで本式に書きたい
②宝珠院の写経会月1回
(日程は毎月告知)
般若心経2,000円
要予約・各回6名
少人数でじっくり書きたい
③おうちで写経いつでも四誓偈(手本を配布)無料
(納経は冥加料)
まず自宅で書いてみたい

ポイントは、現地で書ける①と②はどちらも日程が決まっているということ。増上寺は14日、宝珠院は月1回で日付は毎月変わります。この2つは日付がずれるぶん、月に2回はチャンスがあると考えることもできます。

どちらも予定が合わないなら、③の「おうちで写経」。公式が手本を無料配布していて、書いたものは郵送で増上寺に納経できます。

※掲載情報は執筆時点のものです。日程や料金は変更されることがあるので、訪問前に公式サイトでご確認ください。

増上寺の写経会|毎月14日・冥加料2,000円

「写経会」と書いて「しゃきょうえ」。昭和54年3月14日、善導大師のご命日に千三百年の遠忌を記念して始まったものだそうです。毎月14日という開催日も、この由来からきているのでしょう。

基本情報

項目内容
開催日毎月14日(7月・8月は休会)
受付12:00より 大殿1階にて
法話13:20より 大殿3階仏間にて
写経会引き続き14:00より法要が始まります
冥加料2,000円
携行品筆ペン、または小筆(小筆は当日、受付でも販売あり)
予約不要(公式に「ご予約等不要」と案内があります)
参加資格どなたでも
所在地東京都港区芝公園4-7-35
アクセス都営三田線「芝公園」「御成門」駅より徒歩3分/都営浅草線・大江戸線「大門」駅より徒歩5分/都営大江戸線「赤羽橋」駅より徒歩7分/JR「浜松町」駅より徒歩10分
公式サイト増上寺 写経会

注意したいのは7月と8月が休会だということ。公式には「お盆の為」と書かれています。夏に東京観光を予定している方は、ここで空振りしないようにしてください。夏場なら後述の宝珠院かおうちで写経になります。

当日の流れ

ここが最大の特徴です。机に向かって黙々と書く形式ではなく、法要のなかに写経が組み込まれています。

  1. お導師さまが入堂されるので、合掌してお念仏でお迎えする
  2. 法要が始まったら、みなでお経の本を手に持ってお唱えする
  3. 法要中に案内があったら、写経を始める
  4. 書き終えたら、静かに待つ
  5. 再びお経が始まったら、書き上げた半紙を仏前の三方にお供えし、お焼香を一回、手を合わせてお十念をしてから席に戻る

書き終わらなくても大丈夫です。間に合わなかった方は、お導師さまのお話が終わってから仏前へ持って行けばいいと案内されています。

読経のなかで筆を持つので、自分の集中力だけに頼らなくていい。写経が続かないという方には、こういう場のほうが向いていることもあります。

書くのは般若心経ではありません

知らずに行くと戸惑う方もいるかもしれません。増上寺で書写するのは浄土宗が拠りどころとする浄土三部経(無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経)をはじめ、先師の残されたさまざまな経典。般若心経ではありません。「さまざまな経典」とある通り、回によって書くお経は変わります。

写経といえば般若心経、という感覚は私にもあります。ただ宗派によって書くお経は変わるんですよね。浄土宗の写経(阿弥陀経・十三仏)で背景を知ってから行くと、納得感が違うと思います。

持ち物は筆ペンか小筆だけ

公式の携行品欄にあるのは筆ペンまたは小筆のみ。小筆は当日、受付でも販売されています。つまり案内されている持ち物は筆記具だけということです。ただ法要中はお経の本を手に持ってお唱えする場面があり、その本をどう用意するかまでは公式に書かれていません。以前は「浄土宗のおつとめ」の本も持ち物に挙がっていたという記録もあるので、気になる方は事前に教務課へ電話で確認しておくと安心です。

もう一つの選択肢|塔頭・宝珠院の写経会

増上寺の月1回・年10日という条件はなかなか予定が合わない人もいると思います。平日の14日に午後をまるごと空けるのは、けっこう難しいです。

そこで知っておきたいのが宝珠院(ほうしゅいん)。増上寺の西側、弁天池のほとり、東京タワーの足元にある塔頭です。ここでは般若心経を書きます。

ただし、ここは必ず押さえてください。宝珠院の写経は以前は毎日いつでも受け付ける形でしたが、現在は月1回の写経会・予約制に変わっています。古い案内をそのまま載せている情報もまだ見かけるので、「ふらっと寄って書こう」と思って行くと空振りします。

項目内容
寺院増上寺塔頭 三縁山 宝珠院(浄土宗)
開催月1回(日程は公式サイトのお知らせで告知)
時間午前の部・午後の部の2回制(各回1時間ほど)
定員各回6名
予約必要(告知ページの予約フォームから)
書写するお経般若心経
参加費2,000円(当日受付にて現金払い)
持ち物不要(写経用紙・筆ペンはお寺で用意)
会場宝珠院 本堂
所在地東京都港区芝公園4-8-55
公式サイト宝珠院便り(お知らせ一覧)

日程は月によって変わり、平日に設定されることもあります。各回6名しかないので、告知が出たら早めに押さえるのが前提。定員に達した時点で受付は終了します。写経会の日程と申し込みは「宝珠院便り」で告知されるので、行きたい月の少し前からチェックしておいてください。

いいのは、道具がいらないこと。写経用紙も筆ペンもお寺が用意してくれるので、手ぶらで行けます。少人数で1時間ほど、初めての方には説明もあるので、入口としては増上寺の写経会より入りやすいと思います。増上寺が「法要に加わる」体験だとすれば、こちらは「書くことに集中する」体験です。こちらは少人数であることも、雰囲気が違いますね。

徳川家康公ゆかりの開運出世大弁財天と、港区指定文化財の閻魔大王をお祀りしているお寺でもあります。写経会の日は、あわせてお参りしていくのがおすすめです。なお写仏については、以前は案内がありましたが現在の写経会の告知にあるのは写経のみです。

都内のほかの候補も見たい方は、東京で写経体験ができるお寺もどうぞ。

公式の「おうちで写経」|手本を無料でダウンロードできる

3つめのルートが、増上寺公式の「おうちで写経」です。写経会で実際に使われたお手本を、誰でも無料でダウンロードできます。①も②も日程が決まっている以上、いちばん確実なのは実はこれです。

お寺が手本をここまで無償で公開している例は、あまり見かけません。執筆時点で配布されているのは四誓偈(しせいげ)の写経用紙セットで、公式には今後も準備ができ次第増やす予定と書かれています。

薄墨版と墨色版、どちらを使う?

手本は2種類あり、使い方が違います。取り違えると書きにくいので整理しておきます。

種類使い方向いている人
薄墨版印刷した紙に、直接なぞって書くはじめての方
墨色版印刷した手本の上に半紙などを重ね、紙越しになぞる写経に慣れた方

写経会でも墨色版と同じやり方で書くそうです。慣れてきたら半紙を重ねず、手本を見ながら書く方法もあると案内されています。

A4で印刷、B4に拡大すると半紙サイズ

基本は自宅のプリンターでA4印刷でOK。ただB4に拡大すると半紙(約243×333mm)とほぼ同じ大きさになります。墨色版で半紙に書きたい場合は、B4で出しておくとサイズが合います。プリンターの「出力用紙サイズ」を原稿サイズに合わせる設定が必要なので、そこだけ注意を。

この手本で書くと、限定の御朱印がいただける

ここは見落とされがちですが、うれしい仕組みです。ダウンロードした手本で書いた写経を増上寺に納経した方には、限定の御朱印が授与されます。

そもそも御朱印は、写経を納めた証としていただくものが始まりだったと公式でも説明されています。写経を納めて御朱印をいただくのは、本来の形に近いんですよね。集めている方には意味の違う一枚になると思います。道具は筆ペンか小筆と墨、太めのサインペンでも構わないとされています。

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書いた写経を納める|写経塔への永代奉納

増上寺に納められた写経は、境内中程に建てられた写経塔へ、永代にわたって奉納されます。

写経会で書いたものは、法要のなかで仏前にお供えするところまでが当日の流れに含まれています。別に手続きは要りません。一方、自宅で書いた写経を納めたい場合は、持参か郵送になります。

項目内容
納め方納経冥加料を添えて、持参または郵送
持参先大本山増上寺 会館2階 寺務所内
浄土宗開宗850年奉賛局 納経係
郵送先〒105-0011 東京都港区芝公園4-7-35
大本山増上寺 浄土宗開宗850年奉賛局 納経係
電話 03-3432-1431(代表)
納経の証納経御朱印を授与(枚数にかかわらず、一度の納経につき1枚)

郵送で納められるので、東京まで行けない方でも奉納はできます。宛先は部署名まで正確に書いてください。変更されることもあるので、送る前に公式サイトで確認しておくと確実です。奉納の一般的な手順は写経の奉納方法(持参・郵送・お焚き上げ)にまとめています。

「為」には何を書けばいい?

増上寺の写経用紙には、左側に「為」の文字が入っています。これは為書(ためがき)といって、写経の功徳を何に向けるかを書く欄。ここで手が止まる方は多いと思います。公式ではこんな例が挙げられています。

  • ○○家先祖代々追善菩提……ご先祖様の追善のために
  • 戒名(俗名)追善菩提……亡くなった個人の方の追善のために(戒名がわからなければ俗名でも可)
  • 心願成就・病気平癒・無病息災・身体健全・世界平和など、自由に

用紙の最後には「願主 謹書」とあります。「願主」に続けて名前を書き、そこで筆を置く。書き終えたら手を合わせて南無阿弥陀仏とお称えする——というところまでが公式の案内です。

この一行を書くとき、少しだけ手が止まるんですよね。何のために書くのかを自分で言葉にしないといけないので。私はそこが写経のなかでいちばん静かな時間だと思っています。記入順序は写経の最後の書き方にまとめています。

東京タワーと徳川将軍家墓所|参拝とあわせて

増上寺は、写経だけで帰るにはもったいない場所です。大殿の背後に東京タワーが立つ景色は、寺院建築と東京らしさが同居していて、ほかではなかなか見られません。

境内には徳川将軍家墓所があり、六人の将軍が眠っています。大殿地下の宝物展示室では、二代秀忠公の霊廟を再現した模型が常設展示されています。ただしどちらも平日は11時開場、火曜は休み(拝観は墓所500円、展示室700円、セット券1,000円)。14日が平日だと、12時の受付までに回れるのは1時間ほどしかありません。じっくり見たいなら、14日が土日祝に当たる月を選ぶのが現実的です。

光摂殿の天井絵は、毎年秋の「みなと区民まつり」に合わせて公開されるもので、常時見られるわけではありません。時期が重なったときの楽しみに。芝公園から増上寺、宝珠院、東京タワーまで、ぜんぶ徒歩圏内におさまります。

増上寺の写経会は受付が12時から、法要の開始が14時。終了時刻は公式に案内がないので、午後はまるごと空けておくと安心です。遠方から来られる方は、芝公園・浜松町あたりに宿を取っておくと動きやすいです。

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写経会は12時受付、14時から法要。遠方から参加するなら、増上寺の徒歩圏に泊まると時間に余裕が持てます。

まとめ

  • 増上寺の写経会は毎月14日のみ(7月・8月は休会)。受付12:00、法話13:20、写経会14:00から
  • 冥加料2,000円、予約不要、どなたでも参加できる
  • 持ち物は筆ペンか小筆だけ。小筆は当日受付でも買える
  • 書くのは般若心経ではなく浄土三部経など。回によって変わる
  • 塔頭・宝珠院の写経会は月1回・完全予約制・各回6名。参加費2,000円で道具は不要。日程は「宝珠院便り」で告知される
  • 公式の「おうちで写経」で手本を無料ダウンロード。薄墨版はなぞり書き、墨色版は半紙を重ねて使う
  • 書いた写経は写経塔へ永代奉納。郵送も可能で、納経御朱印がいただける

月に一度しか開かれないのは不便ではあります。でも裏を返せば、その日に集まった人だけで法要を勤め、同じお経を書くということでもあります。予定を合わせて足を運ぶ、その手間ごと含めて写経なのかもしれません。日程がどうしても合わなければ、公式の手本で自宅に1枚書いて郵送で納める。そういう関わり方もできます。

あわせて読みたい記事はこちらです。

→ 【完全ガイド】写経とは?意味・効果・やり方

→ 写経にかかる時間は?1枚の目安

よくある質問

増上寺の写経会に予約は必要ですか?

必要ありません。公式サイトに「ご予約等不要で、どなたでもご参加いただけます」と案内があります。当日12時から大殿1階で受付が始まるので、その時間内に行けば参加できます。冥加料は2,000円です。なお、塔頭の宝珠院の写経会は予約が必要なので、混同しないようご注意ください。

宝珠院ではいつでも写経できますか?

できません。以前は毎日いつでも受け付けていましたが、現在は月1回の写経会・予約制に変わっています。定員は各回6名で、埋まり次第受付終了。日程と申し込みは公式サイトの「宝珠院便り」で告知されるので、訪問前に必ず確認してください。

増上寺で般若心経を書くことはできますか?

写経会で書写するのは浄土三部経をはじめとする経典で、般若心経ではありません。般若心経を書きたい場合は、歩いてすぐの塔頭・宝珠院の写経会が般若心経を扱っています。ただし月1回・予約制で各回6名なので、日程が出たら早めに申し込んでください。

写経がまったく初めてでも参加できますか?

参加できます。増上寺の写経会の参加資格は「どなたでも」です。ただ法要のなかで進むため、進行に身をまかせる場面が多くなります。自分のペースで書きたい方や説明を受けながら書きたい方は、少人数で説明のある宝珠院の写経会のほうが取り組みやすいかもしれません。こちらは写経用紙も筆ペンも用意されるので、手ぶらで行けます。

子どもと一緒に参加できますか?

年齢制限はどちらも公式に明記されていません。増上寺の写経会は法要のなかで進むため、静かにしている時間が長くなります。宝珠院の写経会は1時間ほどで道具も用意されますが、各回6名の少人数制です。お子さんと参加したい場合は、事前に電話で相談しておくと安心です。

浄土宗の檀家でなくても参加できますか?

できます。参加資格は「どなたでも」で、宗派を問いません。ただし書写するお経も、書き終えたあとのお念仏も浄土宗の作法にのっとったものなので、その形式で行われることは知っておくといいと思います。

増上寺で行われる別の写経会と同じですか?

増上寺の慈雲閣では、浄土宗東京教区の青年会が主催する写経会が開かれることがあります(年によっては「写佛会」として開催されます)。会場は増上寺ですが、毎月14日の写経会とは主催も日程も別です。どちらの会なのか確認してから申し込んでください。

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この記事を書いた人

奈良で育ち、母が毎朝仏壇の前で般若心経を唱えるのを聞きながら育ちました。子供の頃は習字教室に通い、筆は身近なものでしたが、写経を自分で始めたのは30代になってから。都内IT企業での激務と、眠れない夜が続いた頃、ふと筆を手に取ったのがきっかけです。

1枚書き終えた後の静けさが忘れられなくて、それから5年。写経は私の暮らしに欠かせないものになっています。

このサイトでは、写経を始めたい方に向けて、道具の選び方からお寺での体験まで、実体験をもとに丁寧にお伝えしています。「難しそう」と思っている方にこそ、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

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