日蓮宗の写経|書くのは般若心経ではなく法華経

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法華経の参考イメージ
※参考イメージ

日蓮宗って、般若心経を読まないんですよね?だったら写経も違うお経を書くんでしょうか?

そうです、一般的に日蓮宗は般若心経を読まない宗派です。なので写経で書くお経も、他の宗派とは異なります。

この記事では、日蓮宗と写経の関係を整理します。何を書くのか、どんなお寺で体験できるのか、自宅で始めたい場合はどうするかなどを、順番にお伝えします。

この記事でわかること
  • 日蓮宗が般若心経を使わない理由
  • 日蓮宗の写経で書く経典(自我偈・法華経・題目)
  • 実際に体験できるお寺の情報
  • 自宅で始める場合の道具と考え方
目次

日蓮宗の写経は「般若心経ではない」

日蓮宗は般若心経を読まない宗派

「写経といえば般若心経」というイメージがありますが、これは主に真言宗・天台宗・禅宗系の宗派の話です。日蓮宗では般若心経はお勤めに使いません。

日蓮宗の根本経典は「法華経(妙法蓮華経)」です。鎌倉時代の僧・日蓮聖人は「法華経こそがすべての経典の中で最も優れている」と説き、その教えを中心に宗派を開きました。般若心経は法華経より前の時代の経典という位置づけで、日蓮宗の勤行では用いられていません。

そのため写経も、般若心経ではなく法華経の一部を書き写すのが日蓮宗の形として多いです。

写経そのものは行う宗派

別の解説記事で扱った「浄土真宗:は「そもそも写経を修行として推奨しない」という立場でしたが、日蓮宗は異なります。日蓮宗では写経は信仰実践のひとつとして位置づけられており、お寺での写経会も各地で行われている所があります。

「書くお経が違う」だけで、写経という行為自体は日蓮宗の中でも行われてきた伝統ある実践です。

日蓮宗の写経で書く経典

自我偈(じがげ)

日蓮宗の写経会でよく書かれるのが「自我偈」です。法華経「如来寿量品第十六」の後半にある偈文(韻を踏んだ詩的な文章)で、日蓮宗の朝夕のお勤めでも読まれる中心的な経文のひとつです。

法華経全体(一部経)と比べると分量がまとまっており、写経会では自我偈を書き写すコースが設けられていることが多いです。たとえば池上本門寺(東京・大田区)の写経会でも、自我偈と一部経の2コースが用意されています。

法華経一部経(いちぶきょう)

法華経の全文を書き写す「一部経」も、日蓮宗の写経の重要な形です。分量はかなり多く、一度に完成させるものではなく、何度かに分けて書き続けるのが一般的です。

池上本門寺の写経会では一部経のコースも設けられており、毎月1回の写経会に継続して参加しながら少しずつ進めていく方も多いと聞きます。

題目書き(南無妙法蓮華経)について

日蓮宗独自の実践として、「南無妙法蓮華経」という題目を繰り返し書く「題目書き」があります。これは厳密には「写経(経文を書き写す)」とは別のものですが、日蓮宗では信仰実践として定着している行為です。

「写経に近い行為として日蓮宗でできること」を調べているなら、こちらも選択肢のひとつです。

日蓮宗のお寺で写経体験できる場所

池上本門寺(東京・大田区)

日蓮宗の大本山として知られる池上本門寺では、毎月1回の写経会が開かれています。

項目内容
宗派日蓮宗(大本山)
所在地東京都大田区池上1-1-1
開催毎月最終日曜日
スケジュール9:00 法話 → 9:30 写経 → 11:30 納経法要
書写するお経自我偈(2,300円)/一部経・法華経(3,000円)
用具書写用具一式(硯・墨汁・小筆・文鎮・下敷き)※持参必須
公式サイトhonmonji.jp

法話から始まり、写経、納経法要まで一連の流れで行われる本格的な写経会です。道具はすべて持参が必要なため、初めて参加する前に用具一式を揃えておく必要があります。

初心者よりも、どちらかというと写経に慣れた方や日蓮宗の信仰をお持ちの方に向いている場と言えます。

アクセスは東急池上線「池上」駅より徒歩10分、都営浅草線「西馬込」駅南口より徒歩12分です。

妙本寺(鎌倉)

鎌倉駅東口から徒歩10分ほどの比企谷(ひきがやつ)にある妙本寺は、1260年創建の日蓮宗霊跡本山です。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ゆかりの地としても知られています。

項目内容
宗派日蓮宗(霊跡本山)
所在地神奈川県鎌倉市大町1-15-1
開催行事日を除く毎日 10:00〜15:00
書写するお経法華経
納経料2,000円(拝観料なし)
予約完全予約制(電話・Webフォーム)
用具不要(道具一式あり)
公式サイトmyohonji.or.jp

お香の香りがただよう書院で写経ができる、他の写経体験にはない雰囲気が魅力です。道具は用意されているので持参不要。ただし完全予約制のため、思い立った日にそのまま行くことはできません。訪問前に必ず予約を入れてください。

観光客の多い鎌倉中心部とは少し離れた静かな谷戸にあり、境内の雰囲気も含めて「法華経の写経」をしっかり体験したい方に向いています。

※両寺院の情報は執筆時点のものです。訪問前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

自宅で始めたい方へ

何を書くか

自宅で日蓮宗の写経を始めたい場合、まず壁になるのが写経用紙の入手です。般若心経の写経用紙は市販品が豊富ですが、自我偈や法華経の写経用紙は流通が少ないです。

しかし、ネットショップで一部自我偈の用紙を扱っているお店があるので、楽天市場などで購入するのが現実的です。

写経セット

自宅で写経ができる

自我偈の写経用紙。まずは一度書いてみるところから始めましょう。筆ペンは付いていないので別途購入が必要です。

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その他の方法としては次のいずれかになります。

  • 菩提寺に相談して、お手本や写経用紙を分けてもらう
  • 日蓮宗の経本(おつとめ本)を手元に置き、それを見ながら自分で書き写す
  • 池上本門寺や妙本寺のような写経会に参加して、用紙・流れを把握してから自宅でも継続する

道具について

道具は他宗派の写経と基本的に同じです。本格的に続けるならば、小筆、硯、墨(または墨汁)、下敷き、文鎮など。墨と小筆ではなくて、「筆ペン」でも構いません。

池上本門寺の写経会では持参が必須なので、本格的に続けたい方は早めに揃えておいた方がいいでしょう。

本格派・長期継続したい方に向けての道具としては、名古屋の老舗・菊屋さん写経専用本格セットがおすすめです。菊屋は寛文12年(1672年)創業、350年以上続く文房四宝(筆・墨・硯・紙)の専門店。現在の店主・菊屋吉左衛門(16代目)が、これから写経を始める方のために道具をひとつひとつ厳選して組んだのがこのセットです。

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菊屋16代目が厳選した、名古屋350年の写経専用セット

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まず試しに始めてみたいという方には、筆ペン+なぞり書き用紙のセットで入門するのもひとつの方法です。こちらは般若心経セットにはなりますが、道具に慣れるための最初のステップとして使えます。

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まず道具に慣れるところから

筆ペン付きのセットで、筆の扱いを練習するのにも使えます。

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般若心経の写経で慣れてきたら、自我偈の写経にも挑戦してみてください。

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自宅で写経ができる

自我偈の写経用紙。まずは一度書いてみるところから始めましょう。筆ペンは付いていないので別途購入が必要です。

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まとめ

  • 日蓮宗では般若心経は使わない。根本経典は法華経
  • 写経で書くのは自我偈・法華経一部経が中心。題目書きも日蓮宗独自の実践としてある
  • 池上本門寺(毎月最終日曜・道具持参)、妙本寺(毎日・完全予約制)で体験できる
  • 自宅での写経は、自我偈の用紙もネット販売であり。

写経で書くお経は宗派によって異なります。浄土真宗の場合については以下の記事をどうぞ。

浄土真宗の写経|しない理由と、それでもやりたい人へ

写経全体の基礎については、こちらにまとめています。

【完全ガイド】写経とは?意味・種類・始め方をまるごと解説

よくある質問

日蓮宗で般若心経を書いてはいけませんか?

禁止というルールがあるわけではありませんが、般若心経は日蓮宗のお勤めで使わないお経です。宗派の信仰に沿った形で写経をしたいなら、自我偈や法華経を選ぶ方が自然です。迷うようであれば菩提寺のご住職に相談してみてください。

自我偈とはどんなお経ですか?

法華経「如来寿量品第十六」の後半にある偈文(詩的な文章)です。釈迦の永遠の命と衆生への慈悲を説いた内容で、日蓮宗の朝夕のお勤めでも読まれます。法華経全体よりも分量がまとまっており、写経の入り口として取り組みやすいお経です。

法華経の写経用紙は市販されていますか?

般若心経の写経用紙と比べると市販品はごく少ないですが、楽天市場にて自我偈の写経用紙を扱っているところがあります。

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池上本門寺の写経会は初心者でも参加できますか?

参加はできますが、道具の持参が必須です。硯・墨汁・小筆・文鎮・下敷きをすべて自分で用意する必要があるため、道具なしでいきなり参加するのは難しい環境です。まず道具を揃えてから参加するか、道具が用意されている妙本寺(完全予約制)から始める方が入りやすいと思います。

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この記事を書いた人

奈良で育ち、母が毎朝仏壇の前で般若心経を唱えるのを聞きながら育ちました。子供の頃は習字教室に通い、筆は身近なものでしたが、写経を自分で始めたのは30代になってから。都内IT企業での激務と、眠れない夜が続いた頃、ふと筆を手に取ったのがきっかけです。

1枚書き終えた後の静けさが忘れられなくて、それから5年。写経は私の暮らしに欠かせないものになっています。

このサイトでは、写経を始めたい方に向けて、道具の選び方からお寺での体験まで、実体験をもとに丁寧にお伝えしています。「難しそう」と思っている方にこそ、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

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