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「曹洞宗は写経をしてもいいのか」
「何のお経を書けばいいのか」
この記事はそういう疑問を持っておられる方にむけて書いています。
結論から言います。曹洞宗の写経は般若心経でOKです。禅宗は般若心経を勤行で使う宗派なので、他宗派のように「違うお経を書かなければ」という話にはなりません。
ただ、曹洞宗と写経の関係には、禅宗ならではの独自の味があります。坐禅との共通点、道元禅師の考え方との重なり、そのあたりを整理します。
- 曹洞宗の写経は般若心経でよい理由
- 禅宗としての写経の位置づけ(坐禅との共通点)
- 大本山・總持寺の写経会は休止中
- 大本山・永平寺の写経会は休止中
- 自宅で始める際の道具と考え方
曹洞宗の写経は「般若心経でOK」
禅宗は般若心経を使う宗派
曹洞宗は禅宗の一派です。禅宗(曹洞宗・臨済宗・黄檗宗)は般若心経を勤行で読む宗派で、写経でも般若心経を書くのが一般的です。
他の記事で扱った浄土真宗(般若心経を使わない・写経を修行として推奨しない)や日蓮宗(般若心経ではなく法華経を使う)などとは、この点で大きく異なります。
曹洞宗の方が、もし写経に興味を持ったなら、般若心経の写経用紙で始めて問題ありません。
曹洞宗での写経の位置づけ
曹洞宗の開祖・道元禅師は「只管打坐(しかんたざ)」(=ただひたすら坐ること)の考え方を修行の根本に置きました。余計なことを考えず、今この瞬間に集中するという姿勢です。坐禅でもあります。
曹洞宗における写経はこの姿勢と自然に重なります。一文字一文字を丁寧に書き写す時間は、坐禅と同じように「今ここ」に意識を向ける実践ともいえます。
功徳を積もうとするより、書くこと自体に集中することが、禅の精神に近い写経の向き合い方と言えます。
曹洞宗の写経の特徴|坐禅との共通点

「今この一文字」に集中する
坐禅では呼吸に意識を向け、雑念が浮かんでも追いかけず手放すことを繰り返します。写経も同じで、一画一画を丁寧に書いている間、余計なことを考える余地がなくなる瞬間があります。
私自身、写経を続けていて気づいたのは、うまく書こうとすると逆に手が止まる、ということです。上手下手より「この一文字に集中すること」の方が大事で、そこに思い気づいたとき、写経の時間がより豊かになったように感じましした。禅でいう「只管打坐」の感覚に、少し近いものがあると私は思っています。
丁寧に書くことが、そのまま修行になる
曹洞宗では、作務(さむ)(=掃除や食事の準備といった日常の作業)も修行と捉えます。「修行のための特別な時間」ではなく、日常のあらゆることが修行になる、という考え方です。素敵ですね。
写経もその延長にあります。たとえば毎朝10分、手を動かして経文を書き写す。それを続けること自体が、曹洞宗的な意味での実践になり得ます。
曹洞宗の大本山で写経体験はできる?
曹洞宗の大本山は2か所あります。福井県の永平寺と、横浜・鶴見の總持寺(そうじじ)です。
現在(執筆時2026年5月)は、公式サイトによると2箇所ともに写経会は休止中みたいですが、座禅会や宿坊があるので、気になる方はみてみてください。
總持寺(横浜・鶴見)
毎月1回定例の写経会が開催されていましたが、現在(執筆時)は諸事情により休止中とのことです。
約15万坪の広大な境内を持つ總持寺は、JR鶴見駅から徒歩5分という都市部にありながら、境内に入ると別世界のような静けさがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 宗派 | 曹洞宗(大本山) |
| 所在地 | 神奈川県横浜市鶴見区鶴見2-1-1 |
| 会場 | 三松閣 地下2階 |
| 開催 | 毎月25日 |
| 内容 | 写経・写仏 → 精進料理 → 月例法話会(無料) |
| 参加費 | 4,000円 |
| 用具 | 小筆・文鎮・硯 持参 |
| アクセス | JR「鶴見」駅西口より徒歩5分/京急「京急鶴見」駅より徒歩7分/京急「花月総持寺」駅より徒歩7分 |
| 公式サイト | sojiji.jp/shakyo/ |
写経会は休止中ですが、月例法話会や、坐禅会などは活発に開催されています。
興味のある方は公式サイトをチェックしてみてください。
永平寺(福井)

道元禅師が1244年に開いた、曹洞宗のもう一つの大本山です。深山幽谷に70余りの堂宇が立ち並ぶ、禅の修行道場としての格を今も保っており、現代でも毎日100人規模の修行僧があつまることで有名です。
かつては写経体験も行われていましたが、2026年現在、写経体験は休止中です(公式サイト確認)。
ただ、永平寺の門前にある宿坊施設「柏樹関(はくじゅかん)」に泊まると、夜に写経体験もできます(別途有料・チェックイン時予約・お部屋でも可)。坐禅・精進料理・朝課とあわせて永平寺の世界に浸れるので、「お寺で写経をしたい」という気持ちがあるなら、柏樹関での宿泊も特別な選択肢として検討してみてください。
非常に口コミ評価の高い宿でもある柏樹関の詳細(料金・予約・スケジュール)は以下の記事にまとめています(姉妹サイト「宿坊めぐり」にて)。
自宅で始めたい方へ
般若心経の写経用紙で始められる
曹洞宗の場合、自宅写経の入り口は他宗派と比べてシンプルです。市販の般若心経写経セット(なぞり書き用紙付き)をそのまま使えます。浄土真宗や日蓮宗のように「宗派に合った特別な用紙を探す」という手間がありません。
道具は筆ペンと写経用紙があれば始められます。
もし本格的にやりたいかたは墨を使って、小筆・文鎮・硯を揃えておくと長期的に取り組むことができます。
「うまく書こうとしない」という禅的なアドバイス
写経を始めたばかりの頃は、「字が下手だから」「きれいに書けない」と気になりやすいものです。でも禅の観点からいうと、うまく書こうとすること自体がすでに「雑念」なんですよね。
一画一画に集中して、ただ書く。それが曹洞宗の精神に一番近い写経の向き合い方かもしれません。
まとめ
- 曹洞宗は禅宗なので、写経は般若心経でOK
- 「今この一文字に集中する」という禅の精神と写経は自然に重なる
- 大本山・總持寺(横浜)では毎月1回写経会を開催(3,500円・用具持参)
- 永平寺(福井)の写経体験は現在休止中。再開は公式サイトで確認を
- 自宅では市販の般若心経写経セットでそのまま始められる
他の宗派の写経については、以下の記事もあわせてどうぞ。
→ 【完全ガイド】写経とは?意味・種類・始め方をまるごと解説
よくある質問
曹洞宗は写経をしてもいいですか?
はい、問題ありません。曹洞宗は禅宗の一派で、般若心経を勤行で使う宗派です。写経も般若心経で行うのが一般的です。總持寺のように大本山が写経会を定期開催しているほど、曹洞宗と写経の相性は良いと言えます。
永平寺で写経体験はできますか?
2026年現在、永平寺の写経体験は休止中です。坐禅体験が行われていたり、隣接の宿坊柏樹関があるので、そちらを喧騒してみると良いかと思います。
曹洞宗の写経と坐禅、どちらを先に体験するのがおすすめですか?
どちらが先でも問題ありません。ただ、曹洞宗をより深く知りたいなら坐禅を先に体験するのも面白いと思います。坐禅の「今ここに集中する」感覚を知っておくと、写経の時間の受け取り方が変わることがあるので。