浄土宗の写経|書くお経の種類と、増上寺の写経会を解説

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増上寺と東京タワー
増上寺

浄土宗は写経をしてもいいのかな」「浄土真宗と混同していたけど、うちは浄土宗だった

そういった方に向けて、この記事を書いています。

結論から言います。浄土宗は写経を行う宗派です。ただし書くお経は般若心経ではなく、浄土三部経(阿弥陀経など)が中心になります。

この記事では、浄土宗と写経の関係を整理した上で、大本山・増上寺の写経会の情報と、自宅で始める際の考え方をまとめます。

この記事でわかること
  • 浄土宗と浄土真宗の違い(写経への姿勢)
  • 浄土宗の写経で書く経典
  • 大本山・増上寺の写経会(しゃきょうえ)の情報
  • 増上寺塔頭・宝珠院での写経体験
  • 自宅で始める場合の道具と考え方
目次

まず整理:浄土宗と浄土真宗は別の宗派

写経への姿勢がまったく違う

「浄土宗」と「浄土真宗」はよく混同されますが、別の宗派です。

開祖も違いますし、写経への姿勢もかなり違います。

浄土宗浄土真宗
開祖法然上人親鸞聖人(法然の弟子)
根本経典浄土三部経浄土三部経
写経への姿勢写経は行う修行として推奨しない
代表的な大本山増上寺(東京)・知恩院(京都)西本願寺・東本願寺(京都)

浄土真宗は「他力本願」を徹底させた立場から、自力で功徳を積む修行としての写経を推奨しません。

一方、浄土宗は念仏を中心にしながらも修行・功徳の概念を持ちます。写経もそのひとつとして位置づけられており、例えば大本山の増上寺が40年以上にわたって定期的な写経会を開催しているほどです。

「うちは浄土真宗だった」という方は、以下の記事をどうぞ。

浄土真宗の写経|しない理由と、それでもやりたい人へ

浄土宗の写経で書く経典

浄土三部経とは

浄土宗の根本経典は浄土三部経と呼ばれる3つのお経です。

  • 無量寿経(むりょうじゅきょう):阿弥陀如来が仏となるまでの本願を説いたお経
  • 観無量寿経(かんむりょうじゅきょう):極楽浄土を観想する方法を説いたお経
  • 阿弥陀経(あみだきょう):極楽浄土の様子と念仏による往生を説いたお経

このうち最も短くて書き写しやすいのが阿弥陀経です。増上寺などの写経会でもこの浄土三部経をはじめとする浄土宗ゆかりの経典が書き写されています。

般若心経は書いてもいい?

浄土宗は浄土真宗ほど厳格に「このお経以外は不可」という立場ではなく、祈願の場面などで般若心経が読まれることもあります。

実際、増上寺の塔頭(境内の小さなお寺)である宝珠院では、般若心経の写経体験が行われています。浄土宗のお寺でも般若心経の写経が完全にNGというわけではないということです。

ただし、総本山・知恩院や大本山・増上寺といった宗の中核寺院の写経会では、浄土三部経や四誓偈、一枚起請文など浄土宗ゆかりの経典が中心です。浄土宗の信仰に沿って写経をしたいのであれば、阿弥陀経など浄土三部経から選ぶのが自然な形と言えるでしょう。

もし迷うようであれば菩提寺のご住職に相談するのが一番確実ですね。

浄土宗のお寺で写経体験できる場所

大本山 増上寺(東京・芝公園)

有名な東京タワーの目の前に建つ浄土宗の大本山・増上寺では、毎月14日(7・8月を除く)に「写経会(しゃきょうえ)」が開かれています。

昭和54年に善導大師の千三百年遠忌(おんき)を記念して始まった、40年以上の歴史を持つ写経会です。

項目内容
宗派浄土宗(大本山)
所在地東京都港区芝公園4-7-35
開催日毎月14日(7・8月は除く)
受付12:00〜 大殿1階
スケジュール13:20 法話 → 14:00 写経会(法要)
大殿3階仏間にて
書写する経典浄土三部経(無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経)など
冥加料2,000円
携行品筆ペン、または小筆(小筆は当日、受付でも販売あり)
予約不要。どなたでも参加可
アクセス都営三田線「芝公園」駅より徒歩3分
公式サイトzojoji.or.jp

ひとつ知っておきたいのが、増上寺の写経は「写経会(しゃきょうえ)」という名称の通り、法要の一部として行われるという点です。写経の指導を受けながら書くというより、法要の流れの中で写経をする、という位置づけです。書き終えた写経は境内の写経塔に永代奉納されます。

予約不要で冥加料2,000円と参加しやすい環境ですが、道具(筆ペンまたは小筆)は持参が基本です。忘れた場合は受付で小筆を購入できます。

増上寺塔頭 宝珠院(東京・芝公園)

増上寺の境内にある塔頭寺院・宝珠院では、般若心経の写経体験と写仏体験を随時受け付けています。増上寺本体の写経会とは別の場所・別の内容で、こちらは都合のいい時間に一人で訪れて写経できます。

項目内容
所在地増上寺境内
受付時間9:00〜16:00(閉門1時間前まで随時受付)
※法要などの時は利用不可
書写するお経般若心経
写仏もあり(仏様のお姿を写し描く)
予約不要
公式サイトhoshuin.jp

「増上寺で写経をしたいが、月に1回の写経会の日程が合わない」「道具を持っていない」という方には宝珠院の方が入りやすいと思います。ただし本堂を法要等で使用中の場合は受け付けていないので、訪問前に確認しておくと安心です。こちらでは、般若心経を使います。

両寺院の情報は執筆時点のものです。訪問前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

自宅で始めたい方へ

自宅で浄土宗の写経を始める場合、まず壁になるのが「お手本用紙」の入手です。

「般若心経」の写経用紙は市販品が豊富ですが、浄土三部経(阿弥陀経など)の写経用紙は市販品が少なく、すぐに手に入らないことがほとんどです。

ひとつ助かるのが、増上寺が公式サイトで「四誓偈(しせいげ)」の写経手本ダウンロードを提供している点です。

四誓偈とは、「無量寿経」の中で法蔵菩薩(阿弥陀如来の修行時代のお姿)が四つの誓いを立てる重要な偈文で、浄土宗の法要でも広く読誦されているものです。なぞり書き用の薄墨版と、半紙の下に敷いて使う墨色版の2種類が用意されています。浄土宗の方が自宅写経を始めるには、まずこれを活用するのが現実的です。

こちらでご確認ください。なお、公式サイトには「このお手本をダウンロードした写経を増上寺に納経された方には、限定のご朱印を授与いたします」との記載もあるので、チェックしてみてください。

増上寺|おうちで写経(写経手本ダウンロード)

道具は筆ペンと印刷した用紙があれば始められます。増上寺の自宅写経手本を使って書き写し、完成した写経を増上寺に郵送で奉納することもできます(詳細は増上寺公式サイトで確認を)。

写経セット

道具から揃えて始めたい方に

筆ペン付きの写経セットで、自宅写経をすぐに始められます。(お手本は般若心経である場合がほとんど)

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まとめ

  • 浄土宗と浄土真宗は別の宗派。浄土宗は写経を行う
  • 書くのは浄土三部経(無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経)が中心
  • 般若心経は浄土宗では完全NGではないが、宗派に沿うなら浄土三部経が自然
  • 増上寺では毎月14日に写経会(2,000円・予約不要)。塔頭の宝珠院では随時受付
  • 自宅写経は増上寺の無料ダウンロード手本が便利

他の宗派の写経については、以下の記事もあわせてどうぞ。

浄土真宗の写経|しない理由と、それでもやりたい人へ

日蓮宗の写経|書くのは般若心経じゃない、法華経の話

曹洞宗の写経|般若心経でOKな理由と、禅宗ならではの向き合い方

【完全ガイド】写経とは?意味・種類・始め方をまるごと解説

よくある質問

浄土宗と浄土真宗はどう違うのですか?

浄土宗は法然上人が開いた宗派、浄土真宗はその弟子・親鸞聖人が開いた宗派で、別物です。どちらも念仏(南無阿弥陀仏)を中心にしますが、浄土真宗は他力の立場を徹底させ、写経など自力の修行を推奨しません。浄土宗は写経も修行として行います。代表的な大本山も異なり、浄土宗は増上寺(東京)・知恩院(京都)、浄土真宗は西本願寺・東本願寺(京都)です。

増上寺の写経会は初心者でも参加できますか?

参加できます。予約不要で、参加資格の条件もありません。筆ペンまたは小筆を持参するか、受付で購入(1,000円)すれば道具の心配もありません。ただし写経の指導を受けながら書くというよりも、法要の一部として写経を行う形式なので、雰囲気はやや本格的です。

浄土宗の写経用紙は市販されていますか?

阿弥陀経など浄土三部経の写経用紙は市販品がほとんどなく、一般の文具店での入手は難しいと思います。増上寺が公式サイトで写経手本のダウンロードを提供しているので、自宅写経にはそちらを活用するのが現実的です。

宝珠院の写経体験に予約は必要ですか?

予約不要で、9:00〜16:00の間であれば随時受け付けています。ただし本堂で法要が行われている時間帯は受け付けていないことがあるので、訪問前に宝珠院の公式サイトで確認しておくのが安心です。道具はすべて用意されているので手ぶらで参加できます。

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この記事を書いた人

奈良で育ち、母が毎朝仏壇の前で般若心経を唱えるのを聞きながら育ちました。子供の頃は習字教室に通い、筆は身近なものでしたが、写経を自分で始めたのは30代になってから。都内IT企業での激務と、眠れない夜が続いた頃、ふと筆を手に取ったのがきっかけです。

1枚書き終えた後の静けさが忘れられなくて、それから5年。写経は私の暮らしに欠かせないものになっています。

このサイトでは、写経を始めたい方に向けて、道具の選び方からお寺での体験まで、実体験をもとに丁寧にお伝えしています。「難しそう」と思っている方にこそ、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

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